狩王決定戦2018仙台地区大会を見た感想

狩王決定戦2018仙台地区大会を見た感想


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上位チームのすごさを考察

私はエンジョイ勢なので、狩王がどんな事を考えてプレイしてるかなんて知りません( ̄ω ̄)
なので、ファン目線で上位チームのここがすごい!
みたいなとこを書いていきたいと思います。

仙台地区大会について


前回の記事でタイムアタックにおけるスタイルについて触れた。

読んでない人は、
狩王決定戦広島地区大会を見た感想【余談】スタイルについて
を参照していただきたい。

仙台地区大会はこれまでの3地区と異なり、ターゲットがオドガロンレイギエナ連続狩猟となる。









過去3地区では拘束が困難なネルギガンテというターゲットの都合上、
テンプレ型を魅せてくれるチームは現れなかったが、
この地区からはターゲットが変わって罠が効くようになることから、
テンプレ型の登場に期待していた。

しかしながら今回のクエストで選べる5種の武器は罠どころかスリンガー閃光弾すら所持しておらず
「これでは拘束を繋げる美しいテンプレを魅せてくれるチームは流石に現れないだろう」
と半ば諦めていたのだが…

まさかあんな方法で拘束を繋げるチームが現れるとは…!!




風漂惨爪討伐01というクエスト


クエスト開始時はオドガロンのみだが、2分が経過すると奥からレイギエナが現れ、
同時狩猟クエストになってしまう。
オドガロンは弱点属性が氷属性であり、レイギエナの放つ氷属性の攻撃が刺さることから、
同士討ちを利用した時短というアイデアの可能性も0ではないと思うが、まぁ0である
つまり、
まずはオドガロンを2分以内に狩ることが必須となる。

さて後から登場するレイギエナだが、
上記の通りこのクエストで選択できる5種の武器はいずれもスリンガー閃光弾を所持していないため、
レイギエナが飛行状態になってしまうと地上に落とす手段が乗りしかない。
加えて、レイギエナの攻撃で氷属性やられになってしまった場合、
それを治療するウチケシの実を持たされておらず、乗りの攻防がシビアになってしまう。

このようにモンスターを気持ちよく狩るために必要な要素の多くを削られており、
我々エンジョイ勢の感覚から言わせてもらうとこのクエストはわりと無茶振りである。

だがそれでも魅せるのが狩王なのだ。




使用武器の傾向


過去3地区と異なり、仙台では上位チームの中で使用武器の組み合わせが割れた

同じクエストで武器の組み合わせが分かれるというのは見る側として非常に面白く、
このクエストを設定したスタッフにはこの場を借りてささやかながらGJを送りたい。


操虫棍


まず最も多かった操虫棍×操虫棍という組み合わせ。
このクエストの操虫棍は角竜派生のタイラントグレイブで素の攻撃力が高く、ガチベースの戦術を取ったチームに選ばれたのがダブル操虫棍という組み合わせだった。












同じ操虫棍でもチームによって戦術に個性が出たが、乗り名人打撃猟虫による拘束手段も持っており、
操虫棍らしく器用な立ち回りも可能となっている。











ちと虫のスピードが遅いが…。




片手剣


ダブル操虫棍に対して少数ではあったが、片手剣を使っているチームも見られた。

片手剣はオドガロンとレイギエナに対して共通の弱点となる雷属性の武器で、
かつ弱点特効3渾身3超会心1という3つの強力な会心スキルにより、火力の出る枠となっている。
加えて片手剣という武器の性質上、

  • 抜刀状態で撃てるスリンガー
  • 段差や駆け上がりを利用した乗り値の高い攻撃
  • 盾を使用した打撃攻撃など
    技術を要するもののモンスターを拘束する手段を持っており、サポートも器用にこなせる。













  • 狩猟笛


    狩猟笛はKO術3でスタンの取れる打撃枠でありながら、匠4攻撃3と、火力に振ったスキルセット。












    スキルが優遇されているとは言え、
    現環境では他の武器種と比較してどうしても低火力と言わざるを得ない狩猟笛である。
    事実、狩猟笛を使用していたチームは、
    狩猟笛がデザインされたTシャツに狩猟笛を前面に押し出したチーム名で、
    タイムアタックよりも狩猟笛の布教活動に重きを置いたようなスタンスに見受けられたが、
    いざクエストが始まってみると練習を積み重ねてきたことがうかがえる立ち回りで、
    今回はミスがあって敗退してしまったが、うまくいったバージョンの動画があるならぜひ見たいものである。

    狩猟笛×片手剣ホーンマ俺Fueee〜!チームアーカイブ↑




    アベンニャーズ


    さて、片手剣を使ったチームはこのチームの他にもう1チームあったが、
    結果を先に言ってしまうとこのチームが仙台地区の優勝者である。

    仙台地区大会優勝
    アベンニャーズチーム









    このチームの構築したテンプレが非常に美しく感銘を受けたので、
    この記事ではアベンニャーズチームの狩りを中心に考察していきたいと思う。




    謎の行動にも意味がある


    まずは入場からオドガロン戦の序盤における立ち回りまでを見てみよう。

    入場はタイミングを計らずに最短だが、
    操虫棍はオドガロンの咆哮の範囲の外から虫を飛ばして赤エキスを回収→印弾発射という流れ。
    一見するとタイムアタックらしからぬのんびりとした初動だが、
    これは段差付近にオドガロンを誘導するための動きである。

    このとき画面の右側に消えている相方の片手剣は、
    拾った石ころを撃って駆け上がれる柱のハジケクルミを落としている。

    いきなり殴りに行くよりこうした方が速いという彼らなりの解に達しているのだ。

    続いて操虫棍はオドガロンの向きを誘導するように右へ回り込みつつ牽制攻撃を入れる。
    ここで画面後方を横切る片手剣は、
    走りながら落としたハジケクルミをスリンガーに装填しつつ操虫棍から見て奥側に回り込み、
    段差を利用してジャンプ突進斬りの二段攻撃を当て、一気に乗るという流れ。

    片手剣は段差を使った乗り値の高い攻撃ができるのだ。

    この乗り状態を作るために操虫棍はオドガロンを段差に誘導したのである。

    ここまでたったの30秒だが、謎に見える行動も全て後に意味を持ってくるのが狩王のテンプレだ。




    部位耐久値を調節する


    続いてオドガロン戦の中盤を見てみよう。

    画面では確認できないが、片手剣は乗り状態からスリンガーでハジケクルミを2発撃ち込んでいる

    乗り攻撃よりもハジケクルミの方が素早くダウンを奪えるからだ。

    ハジケクルミのあと片手剣はオドガロンの頭部に移動し、頭部にフィニッシュ攻撃を当てる。
    片手剣の乗りフィニッシュ攻撃は打撃属性なのでスタン値が蓄積する。

    片手剣が乗っている間、操虫棍は後脚から白エキスを取りダブルアップ状態をキープ。
    その後はダウン後のラッシュに備えて頭の付近に回り込む動きである。

    乗りダウン後の操虫棍は頭部に印当てで打撃猟虫によるスタン値を蓄積させつつ頭部を叩くのだが、
    モーション値の高い飛円斬りやなぎ払いを使っていない

    この動きはオドガロンの前脚の部位耐久値を管理していると思われる。

    片手剣には破壊王2がついており、部位耐久値を削りやすくなっている。
    彼らはオドガロンの前脚に何回攻撃を当てれば怯みが発生し、
    何回攻撃を当てればダウン状態となるかを計算している
    のだ。

    操虫棍の攻撃がオドガロンの前脚に入ると部位耐久値の計算が狂うため、
    操虫棍は前脚の部位耐久値を削らないように、縦軸に判定を持つ攻撃だけでコンボを組み立てている。

    このとき片手剣は操虫棍の後方から回り込み、前脚を攻撃している。
    攻撃しながら当てた回数もカウントしているハズだ。
    片手剣は前脚を一定回数攻撃した後、旋回斬りで向きを変え、後脚を攻撃している。
    オドガロンの前脚は部位耐久値が240、後脚は部位耐久値が270で、どちらも0になると怯みが発生する。

    ダウン状態のまま部位耐久値を0にすると怯みの発生がスルーされるため、
    オドガロンがダウン状態から復帰したタイミングで後脚の部位耐久値を0にして、
    ダウン復帰後即座に怯みという見事な部位耐久値のコントロールを魅せてくれた。




    怯みとダウンで拘束を繋げる驚異のテンプレ


    オドガロン後半戦のまとめ方を見てみよう。

    オドガロンは怯みから反撃行動を取るため、怯みの後どうしてもいったん暴れる。
    この暴れターンをやり過ごし、次は前脚の部位耐久値である。

    オドガロンは部位耐久値を1ヶ所0にすると怯み2ヶ所目を0にするとダウンする。
    これを利用してダウンを奪い、再び片手剣は前脚、操虫棍は頭部に攻撃を当てていく。

    画面では確認しにくいがこのダウン中にスタンが入っているように見える。
    操虫棍の猟虫による打撃である。

    ここから討伐までの畳み掛けは実に見事で、
    完璧に部位耐久値を管理し切ったまま怯み→ダウン→怯み→ダウンという流れで、
    オドガロンを自由にさせないまま討伐している。




    片手剣の落下突き


    ここからはレイギエナ戦の序盤である。

    オドガロンを素早く討伐したので余裕を持って砥石を使うところからだ。

    片手剣は再度ハジケクルミをスリンガーに装填しながら、
    2名が駆け上がれる柱の前に移動してレイギエナを待つ。
    このときの片手剣のパフォーマンスがネット上で話題となっていたが、あの小刻みな動きはマジで謎。

    こちらに向かってくるレイギエナが闘技場中央の仕切りを跨いだタイミングで片手剣が壁を駆け上がる。

    そして落下突きがレイギエナの頭にドンピシャである。

    片手剣が抜刀状態で駆け上がれる壁から繰り出す落下突きは高い乗り値が3ヒット入るため、
    タイミングよく当てれば確実に乗れるのだ。

    乗った片手剣はオドガロン戦の序盤と同様ハジケクルミを二連射し、素早くフィニッシュ攻撃へ。
    ここで注目しておきたいのが操虫棍の動きである。

    操虫棍は片手剣の乗りと同時に舞踏跳躍からのジャンプ斬りを数回繰り返した後、
    達人の煙筒を設置している。

    2回目の乗り値を溜めているのだ。

    この操虫棍は乗り名人が発動しているのでジャンプ斬り1回の乗り蓄積値が37で、
    レイギエナの乗り耐性上昇値50なので2回目の乗りは150の乗り値が必要で、
    4回当てれば乗り蓄積が148なので、あと1回ジャンプ斬りを当てれば乗れるという、
    エンジョイ勢が「???」となってしまうような計算をしてテンプレを組み立ててくるのが狩王である。

    乗りダウンの後は続けざまに猟虫の打撃によるスタンで拘束を連鎖させる。
    最初に乗った片手剣がレイギエナの頭部に、
    ハジケクルミ2発とフィニッシュ攻撃3発のスタン値を溜めておいてある。
    この乗りダウン中に猟虫打撃によりスタンが入ることも彼らは全て計算通りだろう。

    ダウン後の片手剣の動きだが、右の翼→尻尾→左の翼と6回ずつ攻撃をした後、なんと待機している。
    明らかに部位耐久値を調節している攻撃の当て方である。

    乗りダウン→スタンの連続ダウンからやっと復帰したレイギエナだが、ここで計算通り2回目の乗りだ。

    ここまでレイギエナは何もしていない




    モンスターを動かさないという美学


    さて、クエストクリアまでのレイギエナ後半戦を見てみよう。

    操虫棍が乗り状態に入った瞬間の片手剣の動きに注目してほしい。
    画面では確認しにくいが片手剣は壁を駆け上がって落下突きを2回当てている。

    3回目の乗りへの布石である。

    おそらくここまでは理想的な流れで拘束を繋いでいるハズだ。

    なぜなら2回目の乗りダウン後、片手剣は右の翼に集中攻撃している。
    これは先ほどの右翼→尻尾→左翼と6回ずつ攻撃を当てていったような
    部位耐久値を管理する動きとは明らかに異なり、ダメージを取る動きである。

    ここで私は戦慄を覚えた。

    先ほど片手剣が右翼→尻尾→左翼と攻撃を当てていた部位耐久値の調節は、
    もしも2回目の乗り中にレイギエナが暴れて、駆け上がれる柱から離れてしまった場合に、
    怯みを利用する別のプランに切り替えるための保険だったのでは…?

    つまりレイギエナが動いた場合のリカバリープランを用意してきていたということだ。

    今回はうまいことレイギエナが柱の近くを動かなかったので、
    2回目の乗りダウン後は用意したリカバリープランを捨ててダメージを取りに行ったのだ。

    なんという緻密な戦略。
    アベンニャーズ、おそるべし…!!


    さて、ここからクエストクリアまではラッシュである。
    乗った操虫棍はハジケクルミ2発撃ってダウンからの頭部にラッシュ。

    このあと片手剣が1回だけ落下突きを空振りしているが、アレ当てるの意外と難しいんです。
    実際にやってみると分かります。

    …さて、2回目の落下突きはうまく当てて乗る。
    乗ったらハジケクルミ2発撃ってダウンからの再びラッシュでフィニッシュである。

    結局最後までレイギエナは何もしないまま倒された。

    これがモンスターを動かさないという美学である。




    モンハンの頂き


    如何だっただろうか。
    ここまで私が大会のアーカイブを見て思ったことを自由に書き綴ってきたが、
    彼らは間違いなく私の思っている以上に深いところまで考えてテンプレを構築してきている。

    私の知識と想像力ではここまでが限界だが、
    それでも改めて見直してみるとモンスターハンターというゲームの奥深さを感じていただけるだろう。

    モンハンの頂きは遥か高く、私のレベルではまだ頂上がどこにあるのか分からないほどすそ野にいる。


    最後にもう一度、アベンニャーズの狩りを最初から通しで見返してこの記事を終えたいと思う。

    何度見ても惚れ惚れするような美しさである。



    それでは皆さん、これからは乗ったらハジケクルミ2発です(・∀・)ノ

    コメント

    1. 返信
      1. 動画の再生開始位置を設定してアップし直したので、帰って時間に余裕のあるときにじっくりpcから見てください(・∀・)アベンニャーズまじですごいんで!

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